和歌山新報

 

公益通報の市職員が自殺 処分の職員が同じフロアに異動 和歌山

 

速報

 和歌山関西

毎日新聞

2024/6/1 18:33(最終更新 6/1 20:32)

996文字

記者会見に応じた自殺した男性職員の母親=和歌山市で2024年6月1日午後3時29分、安西李姫撮影

 2020年6月に和歌山市役所の男性職員(当時28歳)が自殺したのは業務上のストレスが原因だったとして、遺族が公務員の労災に当たる「公務災害」の認定を求めている。男性は18年8月、職場での公金の不正流用を公益通報していた。支援団体の会合が1日、和歌山市内であり、母親が「息子の死を無駄にしたくない。(内部告発をして)苦しい思いをしている人が他にもいるのではないか」と訴えた。

 

市役所で不正流用

 市や支援団体によると、男性は15年4月の採用で、18年5月に青少年課に異動した。担当となった平井児童館で「子ども会」に対する支援交付金の不正な事務手続きを命じられ、うつ病を発症し休職。児童館では実態のない人権学習の講師謝礼金などを名目に、虚偽の補助金申請書類が作られていた。休職中の8月に公益通報制度を使って内部告発し、市は調査後の20年2月に管理職ら職員15人を懲戒処分とした。

 

 男性は18年10月に職場復帰したが、20年4月に通報を受け処分された職員が同じフロアに異動したという。市は毎日新聞の取材に「別課の副課長で業務上の接点や指揮命令関係はなく、公益通報者と把握した上で両人の適性や職歴を踏まえた配置だった」と説明しているが、母親は「公益通報者が守られていなかった」と指摘する。

 

 自殺する数日前には公用車で物損事故を起こし、警察への報告義務を果たしていなかったことなどで上司から叱責を受けていた。母親は「相当落ち込んだ様子で、公益通報の件も相まってひどいストレスにさらされていたのでは」とみている。



 市は男性の死後、関係する部署の職員約120人に聞き取りを行い、遺族に調査結果を報告した。

 

 遺族は20年11月、地方公務員災害補償基金県支部に対し、公務災害の認定を請求。同支部は24年1月に「(男性に対する)パワハラや嫌がらせの証言はなく、強度の精神的負荷があったとは認められない」などとして退けた。遺族は5月13日に不服を申し立てている。【安西李姫】

 

「市の対応は不適当」脇田滋・龍谷大名誉教授(労働法)の話

 

 公益通報者と処分を受けた職員を同じフロアに配置したことは、不適当な対応だったと言える。公益通報をした事実に限らず、雇用主には労働者の働きやすい環境を守る安全配慮義務がある。また公益通報から2年以内の自殺であり、「公務外災害」の認定が出ているものの相関関係がないとは考えにくい。

 


読売オンライン

 

第三者委の設置求め署名活動へ

 

不正を公益通報した和歌山市の男性職員(当時28歳)が2020年6月に自殺し、母親らが地方公務員災害補償基金県支部に公務災害の認定を求めている問題で、母親(63)が1日、和歌山市内で記者会見を開き、「息子が仕事で悩み、追い詰められたようにしかみえない」と訴えた。市に第三者委員会の設置を求める署名活動をするという。

 

 母親らによると、男性は18年、公金の不正使用を確認し、ストレスで休職。公益通報制度で市に内部告発した。業務に復帰したが、告発を基に懲戒処分となった職員と同じフロアで働くなどし、自殺したという。母親らが公務災害の認定を求めたが認められず、不服を申し立てている。


朝日デジタル

 

公務災害認定求め、自殺した和歌山市職員の遺族と支援者が集会

 

2020年に和歌山市の職員だった男性(当時28)が自殺したのは業務上のストレスが原因の公務災害だったと訴え、遺族と支援者が1日、市内で支援団体の結成集会を開いた。

 

 支援者らは、職員が業務の不正を公益通報したあとの配属などに配慮がなかったことや業務上の心身の負荷で自殺に至ったと訴えている。遺族は地方公務員災害補償基金県支部に公務災害の認定を申請したが、今年1月に退けられ、「公務外災害」の認定を取り消すよう同支部審査会に申し立てている。

 

 支援者らは会場に集まった約80人を前に、「公務災害認定を勝ち取る」ことなどを確認した。職員の母親が登壇


和歌山市役所の記者会見に関する報道



共同通信


NHK

NHK 和歌山 NEWS WEB

 

和歌山市 審査会で調査へ 公益通報後の男性職員自殺で

 

和歌山市の男性職員が不適切な会計処理を公益通報したあと自殺したことを巡り、遺族が市に調査を求めていることについて、和歌山市は、7日、外部の有識者による審査会で、男性職員への市の対応が適切だったか調査を行うことを明らかにしました。

一方、当時の対応について「適切だった」との認識を示しました。

 

6年前、和歌山市の児童館で勤務していた20代の男性職員は、不適切な会計処理を行うよう上司から指示を受けて休職したあと、市に公益通報を行い職員15人が処分されました。

男性職員は復職したものの4年前に自殺し、遺族などは、公益通報の秘密が守られていなかった疑いがあるとして、市に第三者委員会を設けて調査するよう求めています。

これについて、7日、和歌山市は記者会見を開き、遺族の求めに応じて、公益通報したあとの男性職員の人事配置に問題が無かったかどうかなどの調査を、市の「公正職務審査会」に諮問することを明らかにしました。

審査会は、弁護士と大学教授3人でつくられ、来月(7月)上旬までに1回目の審査会を開き調査を開始する予定だということです。

一方、市は、男性職員の自殺後、同僚の職員などに2度に及ぶ聞き取り調査を行っていたことを明らかにしたうえで、当時の男性職員への対応が「適切だった」との認識を示しました。

和歌山市の大野矢雄公正職務専門主幹は、会見で、「公益通報で処分を受けた職員の1人と同じフロアにはなったが、上下の関係はなく、仕事での関わりはほとんどなかった。公益通報者の秘密も守られており、不適切な人事ではなかった」と述べました。


NHK 各地のニュース

和歌山県のニュース

NHK和歌山放送局

和歌山市 審査会で調査へ 公益通報後の男性職員自殺で

 

和歌山市の男性職員が不適切な会計処理を公益通報したあと自殺したことを巡り、遺族が市に調査を求めていることについて、和歌山市は、7日、外部の有識者による審査会で、男性職員への市の対応が適切だったか調査を行うことを明らかにしました。

一方、当時の対応について「適切だった」との認識を示しました。

 

6年前、和歌山市の児童館で勤務していた20代の男性職員は、不適切な会計処理を行うよう上司から指示を受けて休職したあと、市に公益通報を行い職員15人が処分されました。

男性職員は復職したものの4年前に自殺し、遺族などは、公益通報の秘密が守られていなかった疑いがあるとして、市に第三者委員会を設けて調査するよう求めています。

これについて、7日、和歌山市は記者会見を開き、遺族の求めに応じて、公益通報したあとの男性職員の人事配置に問題が無かったかどうかなどの調査を、市の「公正職務審査会」に諮問することを明らかにしました。

審査会は、弁護士と大学教授3人でつくられ、来月(7月)上旬までに1回目の審査会を開き調査を開始する予定だということです。

一方、市は、男性職員の自殺後、同僚の職員などに2度に及ぶ聞き取り調査を行っていたことを明らかにしたうえで、当時の男性職員への対応が「適切だった」との認識を示しました。

和歌山市の大野矢雄公正職務専門主幹は、会見で、「公益通報で処分を受けた職員の1人と同じフロアにはなったが、上下の関係はなく、仕事での関わりはほとんどなかった。公益通報者の秘密も守られており、不適切な人事ではなかった」と述べました。

 

06/07 19:16


読売

読売テレビニュース

 

【速報】男性職員が公益通報後に自殺 和歌山市が外部の審査会に諮問 人事配置に不利益なかったか審査

 

不正を公益通報した和歌山市の職員が2年後に自殺した問題で、和歌山市が会見を開き、この問題を外部の有識者で構成される審査会に諮問すると発表しました。

 

 和歌山市は午後4時から会見を開き、「遺族の第三者委員会の設立を求められているのを報道で知り、市としても第三者の意見を聞くべきと判断した」と語りました。

 

 審議が行われるのは2021年に市が設置された公正職務審査会で、弁護士など外部の有識者3人で構成され、自殺した職員の人事配置などに不利益がなかったか調査を行い、早ければ6月下旬に第1回の審査会を行うということです。

■公益通報で処分された1人と同じフロアに…2か月後に自殺

 

 和歌山市は2018年、複数の児童館で架空の領収書を提出するなどし交付金およそ1900万円を不正に得たとして、関係する職員15人を処分しましたが、この問題発覚のきっかけは匿名の内部告発で、通報したのは当時、児童館に籍を置き、休職中だった男性でした。

 

 遺族らによりますと、休職届には「犯罪への加担を求められ、精神が不安定になった」と記され、問題の調査が始まる直前に男性が休職したことなどから周囲はAさんが内部通報したと、推測できる状況だったといいます。

 

 男性はその後、職場に復帰しましたが、通報の2年後の2020年、処分された職員の1人が同じフロアに配置され、2人の距離は約10メートルで向き合うようになっていたということです。

 

 その2か月後の2020年6月、男性は自ら命を絶ちました。

 

 遺族は、市の配慮不足が自殺につながったとして、今年5月、公務員の労災にあたる「公務災害」と認定するよう再審査を求めていました。

 

 これに対し、和歌山市は「人事に不適切なところはなく、座席は結果的に近くなったが、本人から訴えはなく、不利益はなかったと考えている」とコメントしていました。


毎日


朝日


関西テレビ

関西テレビ 公益通報者の和歌山市職員が自殺 外部有識者による審査会で調査

 

不適切な会計処理を公益通報した和歌山市の男性職員が自殺したことについて、市は外部の有識者による審査会で調査すると発表しました。

 

6年前、和歌山市の職員だった20代の男性は不正な会計処理を上司に命じられ、心身に支障をきたして休職し、公益通報しました。

 

男性は職場に復帰したものの、処分を受けた職員と同じフロアに配置され、2年後に自殺しました。

 

こうした職場環境が心理的負担となり自殺につながったとして、遺族らは公務災害に認定するよう再審査を求めています。

和歌山市は7日、会見を開き、男性への不利益な取り扱いがあったか第三者機関による審査会で調査すると発表しました。

 

一方、市は、当時の対応について「不適切ではなかった」としています。

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